■食べられちゃったら■

 ぼくの名前はサイコロキャラメル。
 念のために説明すると、ぼくはサイコロを模した赤と白の箱の中に入ってるキャラメル。
 お菓子の国シュガーコート諸島で生まれたぼくは、いつかおいしく食べてもらうためにここにいるんだ。

 ところがルソレでぼ〜っと歩いていたら、フライパンが近寄ってきて、その大きなパンの中にぼくを入れようとした。
 熱い熱いフライパンがぼくの身体半分ほどをじゅっと焦がす。

 やめて、やめて!ぼくはキャラメルなんだから、これ以上温められたら真っ黒焦げになっちゃう!!

 慌てて箱の中に逃げると、フライパンはどうしても焦げ焦げにしたいのか、ぼくの周りをぐるぐる。
 箱の中にいても熱気が伝わってくる。
 早く逃げたいけど、時々箱ごしにごんごん叩かれるから動けない。

 熱いよう…溶けちゃうよぅ…誰か助けて〜…

 しくしく泣いていると、視界からちょっと消えていたフライパンが燃え尽きた。
「あ。今だ!」

 平安京のゲートの方へ逃げると、復活したフライパンも追っかけてきた。
 目の前に迫ってきたからもう一度箱の中に避難。
 ここにいたら安全だけど、早く☆海へ行かなきゃ行けないのにどうしよう。

 こうなったら勇気を出して…

 また見えなくなった隙に目の前のゲートに飛び込んで、何とか脱出成功。
 ふぅう…危なかった。


 ぼくの友人、飴くんにこの話をしたら、細い足をぽーんと投げ出して言った。
「オレらは食われてなんぼのもんだ。もし、お前が真っ黒焦げにされて食われたら…」

 言ってみよう、言ってみよう。
 もし逃げ切れなくて食べられることがあったら、どんな食べられ方をしても言ってみよう。

「おいしかった?」
 
 


 
フライパンな人…ぱっと見、取っ手の取れる〜♪かと思いきや、
後になってログをじ〜っと見ると、某小説で登場する双刀将軍…のようですね(’’;
いやぁ…最初の思いこみからフライパンにしちゃった(爆
それにしても、シュガーコートで生まれたキャラってどれぐらいいるんだろうなぁ

Back